鼻血やのどの痛み、倦怠感は被ばくの症状ではない

体調が悪いのには別の原因があります

あの手この手の対策をとっていても、子どもの体調に何か変化があると、「もしかしたら被ばくしてしまったのではないか」とつい心配になりますね。

ふだんなら「かぜかしら」と思うような症状でも、放射線の影響によるものではないかと、何もかも放射線と結びつけて考えるようになってしまいがちです。

福島の原発事故から3週間ほどたったころ、鼻血が出たりのどが痛んだりするのは、放射線の影響(低線量被ばく)ではないかと心配する声が上がりました。

子どもに限らず大人でもせきが出る、全身の倦怠感がある、のどがいがらっぽい感じがするという人もいたようです。鼻血が出たことで被ばくを疑い、病院で診察を受けた子どももいたと聞きます。

こうした体調の変化に神経をとがらせる気持ちはわからないではありません。しかし、結論からいえば、鼻血が出る、のどがいがらっぽくなる、のどが痛む、体がだるくなるといったことは、被ばくの症状ではありません。

障害が出るほどの高い放射線量は事故現場だけ

確かに、放射線による急性障害で嘔おう吐と や下痢、鼻血が出ることはあります。しかし、急性障害がおこる可能性のあるのはあくまで事故の現場で作業をしている人たちについての話で、一般の人たちは急性障害がおこるほど高い放射線量の被ばくはしていません。

したがって、鼻血やのどの痛み、倦怠感などの症状があっても、それは被ばくによるものではなく、別の原因によるものでしょう。

出典:野口 邦和(のぐち くにかず)

1952年生まれ、東京教育大学大学院理学研究科修士課程修了。現在、日本大学歯学部専任講師。専攻は放射化学・放射線防護学・環境放射線学。理学博士。日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員長。原子力問題情報センター常任理事。

本文イラスト:アタフタグラフィックス・うかいえいこ

記事提供:法研

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