「これからの時代、ポジティブな子はどんどん得をしていくことになると思いますよ」というのは、20年以上にわたって幼児教育に携わってきた正司昌子先生です。いったいどんな子がポジティブな子なのか、どう育てればポジティブに育つのか、詳しくうかがいました。
学歴に頼れない「個人の魅力」重視の時代がくる
正司先生は、小学校受験という厳しい世界に向かう親子を応援し続ける中で、「今後は学歴に頼れない時代になる」と感じていると言います。それはいったい、どういうことなのでしょう。
「受験戦争は確かに低年齢化し過熱しています。しかしその一方で、社会はすでに『学歴だけではダメ』という価値観になっているんです。
学歴は必要ですが、さらに『プラスα』が望まれている。つまり『人間的な魅力』という部分が必要なんです。それは『これをやれば身につく』というものではありません。言ってしまえば、親の生活スタイルや子どもへの接し方がすべてです。親が問われるわけです。
学歴だけでいいのであれば、そのほうがラクですよ。勉強だけさせればいいのですから。今後はますます『その子の持つ資質』を豊かにする必要があると思います」
では、その「将来評価される資質」を持つ子というのは、具体的にどんな子なのでしょう。
「わたしが『この子はいいな』と感じる子は、いわゆる『子どもらしい子ども』です。いたずらっ子でも、やんちゃでもいいんです。何事にも興味津々で、疑問がいっぱいな子。自分自身の力で考えられる子。何かあったときに機転が利き、生活力……生きていく力がある子です。そういう伸び伸びした子は、一様に精神面が安定していて、自分に対して肯定的な子です。自分を信頼しているから、とても強いのです」
-----
ポジティブな子の家庭には共通点がある
それはつまり、ポジティブな子ということですね? それは生まれ持った気質なのでしょうか。
「そういう子もいます。けれど、多くの場合、家庭に共通点があると感じます」
それはどういう共通点なのですか?
「家庭にストレスがない子が多いですね。親が自分の感情にまかせて怒ったりほめたりしていません。また、ほかの子と自分の子を比較しません。
もうひとつ、実体験が多い子が多いですね。外遊びをたっぷりして、生活リズムが整った健康的な環境で暮らしている子。いずれにせよ、子どもをちゃんと生活の中心にすえて、親の都合やその場の感情で振り回したりしない、冷静な家庭の子が多いと感じます」
ポジティブな子にはどんなメリットがあるのでしょうか?
「早く自立できる子が多いと思います。言われたからやるのではなく、自分から積極的に取り組んでいきますから、早くから自分の道を切り開いていけるんだと思います。そういう意志を持った子は、仲間うちでも魅力的です。いい人間関係にも恵まれるでしょう。
自分に自信があれば、臆することなく自分の意見を言えると思います。今後国際社会に出ていったときにも、十分太刀打ちできる資質を持つでしょうね。
また、自分に自信がありストレスのない子は、精神状態も安定しています。そういう子はつきあいやすいんです。大人でもそうでしょ? ストレスのない人と仕事をすると、リラックスして仕事ができます。子どもだって同じで、ストレスのない子と遊ぶのは楽しいものですよ」