インフルエンザ

Part1全身の病気編 ■熱が主症状の病気

インフルエンザ

感染力が強いインフルエンザウイルスが原因で、秋冬から春先にかけて流行します。
かぜにくらべて症状がはげしく、乳幼児がかかると症状も重く、脳症などの合併症を起こす可能性も高いので、大人が外からウイルスを持ち込まないように配慮しましょう。
かかったら十分に休養を取り、水分補給を心がけて。

どんな病気?

インフルエンザウイルスの飛沫感染によってうつるインフルエンザは、かぜ症候群の中でも特に全身症状が強く出るのが特徴です。高熱、全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛、頭痛などで、免疫力の弱い赤ちゃんは大人よりこれらの症状が強くなりやすく、脳症などの合併症を起こして重症化することも少なくないので、特に注意が必要です。
流行は主に秋から冬。インフルエンザウイルスにはA、B、Cという3つの型がありますが、A型とB型が流行を引き起こしています。短期間に広い地域にわたって流行するのも特徴で、特にA型は流行の規模も大きいもの。また流行のたびにウイルスの抗原が少しずつかわって、新種に変異していくのも特徴です。集団発生した場合、幼稚園などでは感染拡大を阻止するため、学級閉鎖の措置を取ることもあります。

寒けと高熱が3~7日続きます

ふつうのかぜと同じように発熱、鼻水、のどの痛み、せきなどが見られますが、インフルエンザの場合は熱も比較的高く、体のだるさや筋肉痛、関節痛など、全身症状が強く出ます。熱はときに39度以上になることもあります。乳幼児の場合は吐きけや嘔吐、下痢などの胃腸症状を伴うこともしばしばで、気管支炎や肺炎を併発しやすいため、注意が必要です。

赤ちゃんがかからないためには、大人がウイルスを家に持ち込まないよう、流行中は人込みに出ない、外出から戻ったらうがいや手洗いをしっかりするなどの注意が必要です。

ふつう、かぜのウイルスは鼻や口の粘膜に感染して増殖、そこからのどや気管支などに進むものですが、インフルエンザなどの強いウイルスの場合、2~3日たっても熱が下がらず、せきやたんがだんだんひどくなるようなときは、肺に感染が及んで肺炎を起こしていることもあります。またウイルス感染で体力が低下したところに細菌感染を起こし、細菌性肺炎を起こすこともあります。
インフルエンザがはやっている時期、「かかったかな」という症状があらわれたら、油断せずに全身状態をよく観察して、早めに小児科を受診しましょう。

ケアは?

インフルエンザもウイルスによる病気なので特効薬はなく、基本的には対症療法です。解熱剤、鎮咳剤、去痰剤、気管支拡張剤などを症状に合わせて用います。細菌による二次感染を防ぐために抗生物質を併用することもあります。
家でのケアもかぜのときと同じ。だるさなどの全身症状は3~4日で軽快し、1週間前後で治ります。ホームケアの基本は、次のとおりです。

1)水分をしっかり与える

高熱や下痢、嘔吐が続くと、体から水分がどんどん失われていきます。脱水症状を防ぐためにも、水分はしっかり与えましょう。せきがひどいときにも、水分を与えることでのどの粘膜がうるおって、たんが出やすくなります。

2)室内の湿度は50~60%をキープ

室内が乾燥していると、のどの粘膜を痛めやすいため、加湿器を使ったり、ぬれたタオルを干すなどして、湿度を50~60%に保ちましょう。

3)熱が高いときには薄着にする

熱の上がり始めで悪寒がするときには1枚多く着せますが、熱が上がりきったら薄着を心がけて。素材は吸汗性の高い綿素材がベスト。

4)おふろは熱が下がってから

熱があるときにおふろに入ると、体力を消耗したり、さらに熱が上がることもあります。熱のある間はおふろはガマン。お湯でかたくしぼったタオルで体をふいてあげる程度にしましょう。

5)離乳食は1段階戻して

離乳食は無理に与える必要はありません。欲しがるようなら胃腸に負担がかからないように、カミカミ期ならモグモグ期のメニューというようにワンステップ戻して、消化のいいものや水分の多いものを。また、吐きけがあるときにはヨーグルトなどの乳製品は避けましょう。

予防接種は?

インフルエンザは感染しないのがいちばんの予防法。ワクチンの有効率は約50%と、ほかの予防接種にくらべると低い数値ですが、ワクチンを接種しておけばかかっても軽くすむことが期待できます。現在は希望者が自費で個別に受けます。1~4週間あけて2回接種。ワクチンの性質上、はっきりした卵アレルギーの子は受けられません。

読者の体験

食べると吐くので、水分補給に重点を

葵ちゃん(当時7カ月)・久美ママ
1日目 体温37・5度。熱っぽくてぐずぐず。
2日目 朝から下痢をしているので、休日の当番医に連れていく。体温39・5度。解熱剤の座薬とかぜシロップをもらう。
3日目 下痢がおさまらず、熱も39度近いので、かかりつけの小児科へ。インフルエンザと言われ、かぜのシロップと下痢止めと解熱剤をもらう。離乳食もミルクも口にしてくれないので、水分をたっぷり与える。
4日目 体温は38~37度。下痢の回数が減り、おかゆを食べるように。でも、食べたあとに吐いてしまう。
5日目 下痢や吐きけは続いているが、かなり元気に。体温もほぼ平熱に戻る。
7日目 下痢も止まって完治。

ママからのコメント
食欲もなく、飲んだり食べたりすると嘔吐が続くので、麦茶やりんごジュース、イオン飲料など飲めるものを少しずつ与えて脱水を予防しました。

FromDoctor 身近でインフルエンザが流行していたら、早めに受診して

インフルエンザとふつうのかぜを見分けるには血液検査をするしかなく、ママにはまず見分けがつきません。赤ちゃんがかかると重症化しやすいので、地域など身近でインフルエンザが流行している場合には、早めに受診すると安心です。高熱が出て食欲がなくなったときのケアはかぜや突発性発疹と同じく、まず水分補給に努めること。

けいれんを起こして入院。合併症も併発!

麗美ちゃん(当時1才9カ月)・満貴ママ
1日目 夜になって急に発熱。夜中には39度になり、せきもひどいので救急病院へ行き、解熱剤をもらう。
2日目 朝の体温39・5度。せきと鼻水が続いているので主治医を受診。解熱剤を入れても熱が下がらず、40・9度まで熱が出たのでもう一度受診。解熱剤を入れたら突然けいれんを起こし、インフルエンザと診断されてそのまま入院。心電図、酸素マスク、点滴をつけられる。脳波や髄膜炎の検査は異常なし。何度もけいれんを起こすのでけいれん止めの座薬を使用。
3日目 急性気管支炎を併発。1日数回吸引。
5日目 大部屋に移る。けいれんも軽くなる。
10日目 退院。

ママからのコメント
一時は命も危ないと言われて本当に心配でしたが、その後の検査で脳波に異常がないとわかり、ほっとしています。

FromDoctor インフルエンザでけいれんを起こしたら、要注意です

かなりひどいインフルエンザ。急性気管支炎という合併症まで起こして大変でしたね。何度もけいれんを起こして心配だったと思いますが、あまり心配のない一過性の熱性けいれんのようです。ごくまれなケースですが、インフルエンザから脳症を併発する場合もあります。けいれんには注意が必要です。

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