溶連菌感染症

Part2全身の病気編 ■発疹の出る病気

溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)

溶連菌がのどに感染して起こる病気の総称。
高熱とのどの痛みで始まり、赤い発疹が全身に広がります。
初期症状はかぜに似ていますが、抗生物質での治療が必要。
処方された薬は指示どおりにきちんと飲みきることが大切です。
離乳食は無理じいせず、のどごしのよいものを用意して。

どんな病気?

溶連菌感染症というのは、A群β溶血性連鎖球菌(略して溶連菌)という細菌の感染によって起こる病気の総称です。溶連菌という名前はあまり聞き慣れないと思いますが、菌そのものはよくいるありふれた細菌のひとつ。一般的に赤ちゃんが感染することは比較的少なく、感染したり発症したりするのは幼児や学童が中心です。

のどの痛みから始まり特徴はいちご舌

初めは咽頭炎や扁桃炎などいわゆる「のどかぜ」症状を示します。最初は39度前後の急な発熱で始まります。のどを見ると、いわゆるのどちんこや扁桃部分が赤くはれ、のどの入り口も赤く炎症を起こしています。痛みも強く、吐きけや嘔吐、頭痛、腹痛、ときには筋肉痛や関節痛が出ることも。のどの炎症に関連して、首のリンパ節がはれたり、中耳炎などを起こすこともあります。
その後、赤いこまかい発疹が首や胸のあたり、手首や足首のあたりから始まり、ときに全身に広がります。発疹の出方や程度はさまざまで、発疹はかゆみを伴います。
発病直後は舌が白いコケにおおわれたようになりますが、3~4日するといちごのように赤くなってプツプツになります。これは「いちご状舌」と呼ばれ、やはり溶連菌感染症に特徴的な症状です。同時に口角も荒れます。

昔はとてもこわい病気でしたが

また、溶連菌の中でも特殊な毒素を出すタイプに感染すると、高熱とともに全身の皮膚に赤い発疹が強く出ます。これがいわゆる「ショウコウ熱」。昔はたいへん恐れられたこの病気は、死亡率の高さから法定伝染病に指定され、かかると隔離されなくてはならなかったのですが、現在では抗生物質で治療すれば自宅でも十分にケアできるようになりました。そのため、ショウコウ熱という病名は使わず、一般の溶連菌感染症の一つとして扱われています。

ケアは?

治療は菌に有効な抗生物質の服用です。これで熱は1~2日で下がり、発疹も軽快、のどの痛みも1週間以内でおさまります。その後、指先の皮膚が新じゃがいもの皮のようにべロベロとむけてきますが、これもほとんどは3週間程度でおさまります。しかし、これらは幼児から学童期の子どもに典型的な経過です。3才以下の子どもが溶連菌に感染した場合、熱や発疹は出なくて、単なるのどかぜ症状になることも少なくありません。ウイルスによる咽頭炎や扁桃炎とも見分けにくいものです。ただ、ウイルス性のかぜと違って細菌性の病気なので、自然に治ることはありません。2日以上のどがはれて痛むときや高熱や発疹が出たときは、必ず小児科を受診するようにしてください。咽頭から溶連菌が検出されたり、血液検査で溶連菌感染症と判明したら、きちんと治療を受ける必要があります。
細菌による感染なので、治療には抗生物質が有効です。薬を飲めば症状は2~3日でよくなっていきますが、溶連菌感染症の場合、処方された抗生物質の量や回数を守って服用することが大切です。発熱や発疹がおさまっても、それで細菌が完全に体から消えたわけではありません。処方された抗生物質を最後まできちんと指示どおりに飲むことが大切です。症状が消えたからといって、自己判断で薬の飲み方を変えたり、薬をやめたりしないようにしてください。

また、細菌がいなくなっても、急性腎炎や、高熱と関節の痛みといった症状が出るリウマチ熱、アレルギー性紫斑病などの合併症を起こしてくることもあり、そうなると治療が大変長引きます。それを防ぐためにも、医師の許可が出るまで抗生物質を10日~2週間ほど飲み続ける必要があります。治ってから血尿が出ていないかを調べるために、一度検尿をしたほうがいいでしょう。
ホームケアの基本は、水分補給とのどごしのよい離乳食です。脱水症状を防ぐために、こまめに水分を与えます。のどの痛みが強い時期は、離乳食のメニューに工夫が必要。食事はのどに刺激を与えない、消化のいいものを用意してあげましょう。体力を消耗しないようにすれば、おふろに入れてもかまいません。

読者の体験

足の裏に赤いポツポツができているのを発見

和馬くん(当時3才6カ月)・陽子ママ
1日目 朝は元気に幼稚園に行き、夜、たまたま足の裏を見ると、皮膚の内側から浮き出るような赤いポツポツがたくさんできているのを発見。びっくりして熱をはかると、37度後半。
2日目 体温38度。顔や手足、おしりなど全身のあらゆるところに発疹ができ、舌にもいちごのような赤いブツブツがびっしり。総合病院を受診して、のどの菌を検査してもらう。この日は抗生剤をもらって帰宅。薬を飲むと、熱はすぐに下がる。
9日目 検査結果が出て、溶連菌感染症と判明。抗生剤をこのあと1週間ほど続けて飲むように指示された。薬をやめるころ、手のひらと足の裏の皮がむけだしてびっくり。

ママからのコメント
幼稚園に行きだすといろんな病気をもらってくるなと実感しました。

FromDoctor 症状が消えても、自己判断でかってに薬をやめないこと

お母さんの中には「できるだけ子どもに薬を飲ませたくない」と考え、発疹や発熱といった症状が消えると自己判断で薬をやめてしまう人も少なくありません。しかし、溶連菌感染症の場合には、症状が消えても2週間ほど医師の指示どおりに抗生物質を飲み続ける必要があることを忘れないで。

COLUMN 発疹が出たときのワンポイントホームケア

■熱があるかどうかをCHECK!

発疹にはさまざまな種類があり、全身性の感染症と関係しているものもあれば、皮膚表面だけのトラブルのことも。熱があるかどうか、あるとしたら発疹と同時に出たのか、発疹より先に出たのかをチェック。病気を診断する目安になります。

■皮膚は清潔に

発疹が水を持っていなくて、発熱やせきなどの症状がなければ、おふろやシャワーもOK。低刺激のせっけんを使い、そっと洗います。肌着は綿100%で、発疹をこすらないようにゆったりしたデザインのものを。

■かきこわさないように注意

かゆみを伴う発疹の場合、かきこわして悪化させないようにつめは短く切っておきましょう。低月齢の赤ちゃんが寝ている間にかきこわしてしまうようなら、ミトンをはめても。また、汗をかくとかゆみが強くなるので、室温のコントロールを。

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