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すべてのご両親が「自分たちの暮らしを、より楽にしたい」「赤ちゃんがいつでも快適で、機嫌よくいてほしい」という、2つの単純な願いを持っているのではないでしょうか?
「アタッチメント・ペアレンティング」を実現するための「5つのB」の3つ目、「ベビーウエアリング(赤ちゃんを身にまとうこと)」は、赤ちゃんと常に密着する育児スタイルです。
一見、たいへんそうで、時間も自由も奪われるような印象を受けてしまいませんか? それは誤解です。急がば回れ、のスタイルで、育児をぐっと楽に、楽しいものにしてくれます。
翻訳・まとめ/岩井満理
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世界中の多くの文化圏で、親たちはまるでコートを着るように、赤ちゃんを「身にまとって」きました。スリングや抱っこひもを使って密着することが親と子にそれぞれどんな影響をもたらすのかを研究したところ、さまざまな恩恵があることがわかったのです。

妊娠期間は9カ月ではなく18カ月(子宮の内部で9カ月、外部で最低でもさらに9カ月)だと考えると、赤ちゃんと密着することの重要性を、より理解できるでしょう。赤ちゃんは、自分が胎内の子宮で適応していたように、胎外の子宮にも適応することを学んでいます。私たちは出産をひとつのゴールだと考え、胎児から赤ちゃんになると、ある意味では完全なものとみなしてしまう傾向があります。もう胎内で養ってあげなくても、授乳やケアをきちんとしてあげれば生きていけるでしょう、という意識です。
しかし、実際は、胎内から出た赤ちゃんは、まだまだ不完全です。すぐに環境に適応することもできませんし、非常に弱い存在です。生まれたばかりの赤ちゃんは「大人を小さくしたもの」ではないのです。胎児が少し大きくなっただけなのです。
スリングなどに赤ちゃんを入れて密着することは、おなかの中にいたころから繰り返されてきた母子の触れあい(アタッチメント)を完成させ、赤ちゃんを落ち着かせます。赤ちゃんはそう扱われることで、自分が大切にされている、という感覚を持つようになります。

親子が常に密着していることで、親にも子にも、よい影響が表れます。まず気づくのは、お母さんと常に密着している赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんに比べて、ぐずったり、理由もなく不機嫌に泣くことが少ない、ということです。さらに発育もいいという傾向が見られますが、これは、泣くことで無駄に使ってしまうエネルギーを、成長することに回せるからかもしれません。赤ちゃんと常に密着しながら、親はいろいろな用事をこなすので、親の動作を見て、赤ちゃんは学んでいくこともできます。
一方、親にとってのメリットはなんでしょう? メリットより、重くてつらいというマイナスイメージのほうが強いでしょうか? いいえ、この方法を実践しているお母さんたちは、慣れてしまえば苦にならないと言います。
赤ちゃんを抱っこやおんぶで「身につけて」いる状態が自然になると、外出も苦にならなくなります。赤ちゃんをどこへでも連れていけるので、家に縛られているような圧迫感やストレスを感じなくなります。赤ちゃんにとっての家庭とは、両親の腕の中なのです。

母親が一日に何時間も赤ちゃんをスリングに入れて密着していれば、母親は赤ちゃんといることに慣れますし、赤ちゃんも母親といることに慣れます。簡単に言えば、絆の形成とは「いっしょにいると気持ちが落ち着き、離れていると不安になる」ことなのです。こういう母親は、赤ちゃんが泣くとすぐに愛情こまやかな反応を示すでしょうし、母乳を長く頻繁に与え、添い寝(夜間に赤ちゃんと密着する方法です)もすることでしょう。
赤ちゃんを長時間抱いていると、急激に変化していくわが子の発達がよくわかり、楽しめます。 これは、絆を形成するためにも大切です。赤ちゃんの動き方、あなたを見つめる表情、手を伸ばして触れてくる様子、他の人や物に近づいている姿など、すべてを通じて発達中の赤ちゃんの中に起こっている日々の変化を、より深く知ることができます。つまり、初めの1年間は母親と赤ちゃんはいっしょに発達するのです。赤ちゃんの発達の過程を理解して楽しむことは、絆を固めるためのもうひとつの面でもあります。 |
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