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私の病院に来た両親が、よくこんなことを報告してくれたものです。「うちの子は、私が抱いてさえいれば満足しているようです」。赤ちゃんが自然とおだやかになり、親とよりよい関係をつくるために一番必要なのは、赤ちゃんと密着することです。なぜ赤ちゃんと密着することが、おだやかな赤ちゃんをつくりだすのか、その理由をご説明しましょう。
翻訳・まとめ/岩井満理
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赤ちゃんは、親に抱かれることで満足感を感じます。赤ちゃんが満足しているので、親は赤ちゃんといることを、より楽しむことができます。赤ちゃんは泣く必要があまりないのでご機嫌になります。家族もまた、神経質な赤ちゃんの泣き声を少なくする方法をようやく見つけて、幸せな気分になります。赤ちゃんを抱く、というのは昔からあった赤ちゃんのあやし方です。この昔からの方法をあらためて発見したことに刺激を受け、私は、親と密着している赤ちゃんはあまり泣かない、ということを発見しました。

1986年に、カナダのモントリオールの研究者チームが99組の母子ペアを調査した結果を発表しました。被験者のうち半数は、毎日少なくとも3時間は、腕かキャリアに入れて赤ちゃんを抱くように指示されました。一方は、赤ちゃんを抱かないグループで、ベビーベッドに寝かせてモビールか顔の絵をつるしておき、赤ちゃんをなだめたりあやしたりという目的ではあまり抱かないようにと指示されました。
すると、どうでしょう。長く抱かれていた赤ちゃんたちは、抱かれることの少なかった赤ちゃんたちに比べて、泣いたり機嫌を悪くする確率が、43%も少なかったのです。この研究の独特な点は、親が泣き声や機嫌の悪さに反応するだけではなく、つまり赤ちゃんの状態にかかわらず、昼間はずっと抱いてやるように指示されたことです。それまで西欧社会では、赤ちゃんが泣き始めた「あとに」抱き上げてやることが一般的でした。
私たちは、ほかの文化圏における子育ての習慣を研究した人類学者たちの論文を調査しました。研究者たちは全員、口をそろえて「赤ちゃんをスリング(抱っこひも)に入れる文化のあるところでは、子どもはあまり泣かない」と報告しています。抱けば抱くほど泣く時間が減ると、研究者の間でほぼ意見が一致しているという事実は(この関係は私自身の診療の場においても観察されていますが)、次の質問、「その理由は?」ということにつながっていくのです。 |
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