妊娠中毒症(1)(妊娠高血圧症候群)

おなかの赤ちゃんの成長が悪くなり、早産や帝王切開のリスクも高まる
●CHECK!妊娠中毒症(現在では妊娠高血圧症候群と呼ばれています)の検査●

血圧

血圧が高すぎると、血液が流れにくくなり、血管が傷みやすくなって、さまざまな障害が出てきます。上の血圧が140以上か、下の血圧が90を超えた場合を高血圧といいます。
妊娠中の高血圧が心配なのは、胎盤の血管に必要以上の圧力がかかって、赤ちゃんに十分な栄養が送れなくなり、赤ちゃんが大きくなれなくなってしまうため。ただし、緊張したりすると血圧はふだんより高くなりがちなので、1回の検査だけでは結論は出せません。

尿タンパク

尿は、腎臓が血液から必要な成分をこしとって、体にとって不要となった分を排泄したもの。ふつうはタンパク質がもれて出ることはありません。タンパクを含んだ尿が出るのは、腎臓の働きが弱っているためです。
尿検査で、タンパクが+になることは少なくありませんが、さらに++になった場合は注意が必要です。高血圧やむくみなど、ほかの症状がなくても「妊娠中毒症の疑いあり」とされ、場合によっては安静のための入院が必要になってしまいます。

むくみ

むくみのあるなしが、いちばんわかりやすいのは脂肪の少ないすねの部分です。すねを指で押したとき、へこんだまますぐ戻らない場合はむくみがある証拠です。妊娠中は体に水分がたまりやすいので、夕方になると足がむくんで靴がはけなくなるといったことも少なくありません。高血圧や尿タンパクがなく、ひと晩寝れば治る程度なら、まず心配ないでしょう。ただし、足首が見えなくなるほどのひどいむくみは妊娠中毒症の前触れかもしれません。

●症状:血圧、尿タンパク、むくみの3つがそろわなくても要注意●

妊娠中毒症は、高血圧、尿タンパク、むくみのうち、2つ以上の症状がそろうか、ひとつでもかなりひどい場合をいいます。胎盤を、体に侵入してきた敵とカン違いして白血球が攻撃することが原因などともいわれますが、はっきりとはわかっていません。肥満が発症のきっかけになることが多いのですが、よほどひどくならないと自分では気づかないので、健診でのチェックが欠かせないのです。

症状が重くなると、妊婦さんが全身性のけいれん発作を起こすこともあります。これを繰りかえすと、母体の心臓が衰弱して子宮に血液が送れなくなり、胎児は酸素不足に。母子ともにとても危険なため、帝王切開になります。ほかにも、出産前に胎盤がはがれてしまう常位胎盤早期〓離などの合併症も起こしやすいので、じゅうぶんな注意が必要です。

●治療:安静と減塩・低カロリー食で腎臓の負担を軽くする●

高血圧で、上の血圧が160を超えた場合は、血圧を下げる薬が使われます。この薬には、腎臓の血管を広げる働きもあるので、一石二鳥なのです。

タンパク尿がひどい場合は、腎臓を直接治す薬はないので、安静にする以外に治療法はありません。ひどい場合は、入院したうえで減塩・低カロリーの療養食をとりながら様子を見ます。軽い場合は、自宅で療養食をとりながら、やはり安静を心がけることになります。

妊娠中毒症は、いったんひどくなってしまうと、安静にしたところで、なかなかよくならないことが多いもの。特効薬のない病気なので、なってからあわてるよりも、やはり予防が第一です。

●予防:食べすぎと運動不足がいちばんの敵。体を動かし、ヘルシーな食事にしよう ●

妊娠中毒症予防でいちばん大切なのは、なんといっても体重管理です。とくに中期から後期にかけては、週500g以上体重が増えると妊娠中毒症の可能性大。食欲が爆発しやすい時期ですが、意識して体重をコントロールし、運動不足にならないように注意しましょう。妊娠中毒症でもないのに、無理して減塩食にすることはありませんが、加工食品、ファストフードなどは栄養価が低いわりにカロリーだけはしっかりあるので、避けたほうが無難です。

周囲の人に甘えてぐうたらしているとすぐに太ってしまいます。体調が悪くないなら、家事などはこれまでどおりに。さらに1日最低30分は歩くように。

カルシウムをたっぷりとって、血管の緊張をやわらげよう
血管の緊張の解消にはカルシウムやマグネシウムが必要。牛乳や緑黄色野菜などに含まれています。

カリウム豊富な海草類で余分な塩分を排出
塩分は控えめに。カリウム豊富な海草類をとると塩分の排出が促進されます。

家事や運動で体を動かしカロリーを消費しよう
これまでどおり家事をして体を動かしましょう。ウォーキングもグッドです。

◆先輩ママの妊娠中毒症体験◆

●もともと太らない体質でも油断したらだめ

理恵さん(29才) 理緒ちゃん(10カ月)
もともとやせぎみだったので、15kg増までOKといわれて油断し、結局18kgも増えてしまったのが敗因でした。足首がなくなるほどパンパンにむくんでしまい、尿タンパクも+になって妊娠中毒症という診断に。「このままでは危険」と言われて必死で野菜を食べ、間食をがまんして、安産にこぎつけましたが、産後1週間むくみは消えませんでした。

●10カ月で退職したら、あれよあれよというまに体重激増

美穂さん(27才) 一樹くん(9カ月)
10カ月に入って会社を辞め、ヒマになったら、とたんに体重が激増。尿タンパク、むくみ、血圧上昇と一気に出ました。ドクターに叱られ、あわてて塩分とカロリーをできるだけ抑え、近所を歩いたりして、1週間で3kgの体重減に成功。お産は40時間かかりましたが、分娩室では2度いきんだだけでした。血圧は、1カ月健診で無事下がって、ほっとしました。

●お産中に血圧が180を超えたと聞かされ、ぞっとしました

美穂さん(29才) 駆くん(7カ月)
ずっと順調だったのに、最後の最後39週になって、血圧が142/89、尿タンパク++で、妊娠中毒症になりかかっていると言われてびっくり。入院中も頭痛や動悸に悩まされ、血圧を下げる薬をもらって乗り切りました。お産のときは血圧が180にもなっていたそうです。血圧は1カ月健診時には下がっていましたが、尿タンパクは2カ月間続きました。

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