外陰部がかゆい

今日も診察日和PART2「教えて!先生」
産婦人科編
[東京都立墨東病院 林 瑞成先生]

Q外陰部がかゆい

 経産婦ですが、妊娠初期から外陰部のかゆみに悩まされています。初期の時点で先生に話したら「おりものシートによるかぶれだから、トイレに行くごとにシャワーを浴びて清潔にしてください。薬は気休めでしかないから使わないほうがいいでしょう」と言われました。前回の妊娠の時もかゆかったのですが、病院が違ったので塗り薬を出していただきました。今回は「もう限界!!」と思うぐらいかゆくてかゆくて、かゆみによる痛みもあります。市販の薬を塗ってはいけませんか? <36才・妊娠7カ月>


Aカンジダ症かどうかの検査を受けて、
適切な薬を使いましょう

 膣の中には、腸内と同様に乳酸菌が住み着いており雑菌やカビの繁殖を抑えています。このバランスが崩れると細菌やカビが繁殖して帯下が増えたり、かゆみがでたりします。妊娠中に感じる外陰部のかゆみで一番多いのは膣カンジダ症というトラブルです。カンジダというカビが原因で起こる病気で、妊娠中は免疫力が低下するためその数が増えすぎてトラブルが起こるのです。膣カンジダ症かどうかはおりものを培養することで、早ければ2日程度でわかりますので、まずカンジダ症かどうかの検査を病院で受けましょう。膣カンジダ症であることがわかれば膣剤や軟膏など抗菌剤を使って治療する必要があります。

 乾燥や皮膚が過敏でかぶれたり、おりものシートなどによるかぶれで外陰部にかゆみを感じる場合もあります。この場合は副腎皮質ホルモンや抗ヒスタミン剤を使うことでかゆみがとれます。副腎皮質ホルモンというと副作用を心配する方もいるでしょうが、外陰部に使う場合はごく少量ですし、また皮膚から母体血液へと浸透する副腎皮質ホルモンはごくごくわずか。胎児に影響することはないでしょう。しかしもしかゆみが先ほどお話したカンジダなどカビが原因だったら、副腎皮質ホルモンを使うとかえってカビが繁殖して症状を悪化させてしまいます。ですからまず病院でそのかゆみがカビによるものなのか、それとも単なるかぶれなのかを判断してもらった上で適切な薬を使いましょう。ご質問の市販のお薬ですが、市販のお薬にはヒスタミンが入っていますので、カンジダ症の方が使うと症状が改善しないばかりか悪化することもあります。カンジダ症でないとわかっているのなら使ってもよいでしょう。

 外陰部にかゆみを感じたときは、まず受診してカンジダ症かどうかのチェックをしてもらうこと、そして適切な薬を使うことが大事です。受診したときには日常生活の指導も受けてください。たとえば皮膚が乾燥したり、かぶれたりしてかゆみを感じているのであれば、外陰部をせっけんで洗うのはよくありません。やけどをした患部にせっけんを使うようなもので、せっけん成分がしみてよけいにかゆみが増してしまいます。軽いかゆみがあるときは、まずせっけんを使わずにお湯で洗うぐらいにして、少し様子を見るようにするとよいでしょう。


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