たかが貧血とあなどらないで! おなかの赤ちゃんやお産に影響します




ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック
板津寿美江 先生

PART2 妊娠中の健康管理について

たかが貧血とあなどらないで! おなかの赤ちゃんやお産に影響します

 妊娠中は血液の水分量が増えるので、貧血になる妊婦さんも少なくありません。「ちょっと体を動かしただけで心臓がドキドキする」「全身がいつもだるい」「朝なかなか起きられない」「疲れやすい」などの自覚症状があったら、貧血の可能性が考えられます。

 貧血になるとおなかの赤ちゃんへの影響と出産時の出血が心配。おなかの赤ちゃんは胎盤を通しておかあさんの血液から酸素や栄養を受け取って育ちます。ですから妊娠中のおかあさんが貧血だと、おなかの赤ちゃんも貧血になったり体の発育が悪くなることがあるのです。またお産に出血はつきものですがおかあさんが貧血だと少量の出血でも血圧が下がりやすく出血量も増えてしまいがち。出産のときに多量に出血すると輸血も必要になりますし、産後の回復が遅れたり、母乳の出が悪くなることもあります。貧血というとあまり心配のない軽いトラブルのように思いがちですが、赤ちゃんや出産への影響も小さくありません。ですから妊娠初期・中期・後期の健診で血液検査を行い、貧血かどうかのチェックを行うのです。

 貧血になったのが初期であれば食事療法で対処しますが、中期になっても治らないようであれば鉄剤を処方されるのが一般的。妊娠後期や出産まぎわで貧血の場合は鉄剤(内服)の処方だけでなく、点滴が行われることもあります。



便秘は不快&ストレスのもと
 医師に薬をもらってOK


 妊娠すると多くの人が便秘がちになります。初期であればつわりで食事がきちんととれないので便の回数が減ることとホルモンの影響、後期であれば大きくなったおなかに腸管が圧迫されて腸の動きが悪くなること、排便のときに腹圧がかけにくいことなどが原因と考えられます。

 排便のリズムには、個人差があるので、毎日出なくても、それが正常の硬さの便で、本人が不快に感じなければ、便秘ではありません。反対に便通が毎日あっても、排便に時間がかかり硬かったりすれば、便秘です。要するに、便秘かどうかは、便を出す時の不快感をチェックします。

 一般的に3日間以上便通がない状態を便秘といいますが、人によっては1週間以上出ないということもあるよう。便秘がつづくと大腸にたまった便がどんどん水分をとられて硬くなり、より排泄されにくくなってしまいます。子宮のすぐ近くにある大腸に便がたまっていると赤ちゃんに影響がないか心配でしょうが、便秘そのものがおなかの赤ちゃんの健康や発育に影響を与えることはありません。でも便秘でスッキリしないのは精神衛生上よくありませんし、それがストレスになることもあるので、できるだけ早めに解消したいもの。

 規則正しい生活、バランスのとれた食事、たっぷり水分を摂る、適度な運動をするなどが便秘予防&解消の基本ですが、どうしても出ないときは薬を使ってもOK。便秘が続くとおなかが張って苦しいだけでなく、硬くなった便を出そうといきみつづけることが原因で痔になってしまうこともあります。つらいときは我慢せず、恥ずかしがらずに、かかりつけの産婦人科医に相談をして、おなかの赤ちゃんに影響のない薬を処方してもらいましょう。



たかが貧血とあなどらないで! おなかの赤ちゃんやお産に影響します

 おなかの赤ちゃんが大きくなってくるとその重みが負担になり、腰痛を感じる妊婦さんが増えてきます。腰痛がひどくなってしまったら安静にして過ごすしかありませんが、体操や姿勢の工夫で腰痛の予防&症状をやわらげることができます。医師の許可を受ければ市販の湿布薬や鎮痛剤などを使ってもかまいません。でも薬で一時的に痛みがおさまっても妊娠中はいつぶり返すかわからないことを忘れないで。

 次に腰痛になりにくい生活のポイントをいくつかあげましたので、妊娠初期から心がけておくとよいでしょう。

1. ストレッチや腰痛体操など適度な運動で腹筋・背筋を動かす
2. 体重が増えすぎないよう気をつける
3. 寝るときはやわらかい布団より、かための布団を選ぶ
4. 椅子にすわるときは足を組まず、背筋を伸ばして座る
5. 横ずわり、おしりをべったり床につけて両足を外側に曲げるおばあちゃんずわりはNG
6. 腰を冷やさないようにする。腰痛を感じたらカイロなどで温める
7. 寝ている状態から起き上がるときは、横を向いてから、両手を使って起き上がること

などです。腰痛はなってしまうとツライので、できるだけならないよう予防することが大切です。

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