ホルモンの影響でシミやソバカスができやすくなります






産婦人科医編 第三回
植野産婦人科医院 植野 信水 先生
『妊娠』は神秘的で、すばらしい奇跡。
妊娠できた喜びをいつも心に留めて、
ゆったりと毎日を過ごしてほしいですね。



ホルモンの影響でシミや
ソバカスができやすくなります

 つわりによる吐き気や食欲不振、おなかのはり、貧血、腰痛、頻尿、便秘、足がつる、などなど、妊娠に伴って体にはさまざまなマイナートラブルや不調が出てきます。治療や生活習慣の改善などでよくなるものもありますが、妊娠に伴う生理的現象であることも多く、妊娠中はある程度仕方のない場合も…。
シミやそばかすができやすいのも、妊娠に伴う悩みのひとつですね。ドクターへの相談には直接上がってくることは少ないものの、美白ブームの昨今、多くの妊婦さんが日焼け、シミ、ソバカス対策には気を使っているようです。

 多くの妊婦さんが経験しているように、妊娠中はシミやソバカスができやすくなります。それは妊娠に伴うホルモンの影響だと考えられています。シミ、ソバカスはメラニン色素が集まってできるもの。メラニン色素というのは、皮膚の表面(表皮)にあるメラノサイトという色素細胞が働いて生成されます。この細胞の数というのは妊娠したからといって変わらないのですが、妊娠して分泌量が増えるエストロゲン、プロデステロンというホルモンの影響によって、その活動が活発になり、メラニン色素の生成が促進されてしまうのです


 つまり、このメラノサイトという色素細胞の活動を抑えればメラニン色素の生成が抑えられる=シミ、ソバカスが予防できる、というわけ。そして、メラノサイトが活発に活動するのは紫外線があたったときなので、紫外線の予防が大事になってくるわけです。

 また妊娠中はふだんよりも肌が過敏になっています。日光に対する過敏性も増加しているので、日に当たるだけで発疹ができてしまうこともあるので、肌の健康を守るという意味でも妊娠中はしっかりと紫外線対策をするとよいでしょう。

 とくに5月から8月は紫外線が非常に強い時期です。晴れた日の紫外線の強度を見ると、真夏よりも6月、7月の今ごろが最も強いのだそうです。ですから梅雨時でも油断は禁物。雨の降っている日はともかく、あまり晴れていないと感じるときでも、真夏に外出するときと同じように紫外線対策をするとよいでしょう。また時間帯でいうと、10〜13が要注意。この時間帯をなるべく避けて外出するほうがよいでしょう。



肌が敏感になるので
  紫外線吸収剤を含まないものを

 外出時に紫外線を浴びないようにするには、物理的に日光を遮断します。つまり日傘や日よけの帽子をかぶる、日焼け止めクリームを使う、紫外線をカットするファンデーションを使うなどが一般的な方法です。ただし、先ほども言ったように妊娠中は肌が敏感になっていますので、刺激になる物質、薬物は使わないほうがベター。たとえば、日焼け止めクリームには有機化合物である紫外線吸収剤を配合したものと、ノンケミカルの紫外線散乱剤のみを使ったものとがありますが、妊娠中は紫外線吸収剤を含まないものを選ぶとよいでしょう。

 シミ、ソバカスができやすい人、日焼けしやすい人などは化粧水、乳液など基礎化粧品もホワイトニング効果のあるものを使うのもよいかもしれません。


肌が敏感になる妊娠中は
スキンケア用品選びも配慮して

 妊娠中は肌が過敏になる人が多いので、それまでと同じスキンケアをしていると、トラブルが起こることがあります。こういうときは、これまで使っていた化粧品の使用をストップして、場合によっては敏感肌用のより刺激の少ない化粧品に切り替えたほうがよいかもしれません。次に、妊婦さんのスキンケアで気をつけるべきポイントを簡単にあげておきましょう。

1・
肌にかゆみを感じたり、肌荒れがする
→これまで使っていた化粧品の使用をストップ。様子を見て、少量ずつ使って本当に化粧品が原因かどうか確認を。化粧品が合わないようであれば、より低刺激の化粧品に替えてみましょう。

2・つわりで化粧品のにおいがイヤ
→無香料の化粧品や自分で大丈夫だと思えるよりおだやかな化粧品を使いましょう。

3・シミ、ソバカスが増えた!
→サンスクリーンなどで、紫外線をカットして、増加を防ぐようにします。できてしまったシミ、ソバカスには、そのケア用の美容液などでケアを。また肌の回復を助けるためビタミンCやタンパク質を積極的に摂るよう心がけましょう。

4・肌が荒れてしまった
→妊娠中だからと手ぬきせず、化粧水と乳液の両方を使って、水分と油分をしっかり補給しましょう。肌あれがひどいときは、より保湿力の高いクリームに切り替えても。

5・ニキビや吹き出物ができてしまった
→ニキビ用のスキンケア用品を用いてみましょう。思春期にできるニキビと違って、皮脂過剰を伴わない場合もあるので、過度に脂分を取り除きすぎないで、モイスチャーバランスを維持するよう心がけましょう。



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