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産婦人科医編 第八回
近藤産婦人科 近藤俊彦先生

診療の現場で感じること、最近の妊婦事情
いい情報、悪い情報の選別は自分の責任で、しっかりと


川崎市中原区にある近藤産婦人科。最寄り駅は東急東横線「新丸子」駅、「武蔵小杉」駅
 5年前、10年前に比べると、私たちはとても情報の多い社会で生活していますよね。これにはやはりインターネットの普及の影響が大きいと思います。私なども何か調べものをしようと思ったら、まずインターネットを使って欲しい情報がないか検索してみます。でもインターネットで得られる情報には不確かなものも多いもの。読むぶんにはおもしろいけれど、ウワサ話の域を出ない程度のものも混じっています。

 たとえば情報源がテレビや雑誌、本でしたら、テレビ局や出版社の人たちによるある程度のバイアスがかかっていますよね。でもインターネットの情報の場合、きちんとした専門家のバイアスがかかっているものもあれば、そうでないものもあり、と混在しています。ですから、ある程度アットランダムに情報を収集したら、それは正しい情報なのか、そんなに正しくない情報なのか、自分でふるいにかける必要があります。これはインターネットを利用するときだけに限らないことだと思うのですが、何でも物事の最終決定をするのは自分だという意識を持ってほしいなと思います。どんな物事にもいい面と悪い面がありますから。

 仕事柄、私もお産や妊婦の生活、産後の生活や育児に関連するサイトをあちこちのぞくことがあるんですが、「とてもいい情報だな」と思うものもあれば、「こんないいかげんなこと書いていいのかな? これを信じてしまう人はどうするんだろう?」と思うようなこともありますし、特定の人を誹謗中傷するようなひどいことを書いてあるサイトがあったりもします。妊娠して退職なさったりして家で過ごすことの多い妊婦さんにとっては、インターネットはとても有益な情報源であるのは確かです。でもどんなものごとでも、どんなにいい人でも、いいことが100で、悪いことはゼロなんてものはないと思うんですよ。いいことも悪いこともあることを知ったうえで、自分でその情報を選択したんだ、と自覚を持ってほしいなと思います。「だって、サイトに書いてあったんだもん!」って言い訳はしないでくださいね。たくさんの情報のなかからその情報を選んだのは、あなた自身なんですから。



お産は精神的・肉体的なストレスの多いもの。
それを乗りこえるためモチベーションを上げる努力を



待合室も開放的な雰囲気
 お産は女性の体にとって、またその女性の人生にとって大変大きなイベントです。素晴らしい喜びに満ちた、でも大変なイベントなんです。日本では自然分娩を希望する方が大部分なのですが、自然分娩とは、言い換えればできるだけ特別な医療に頼らず自分の肉体にある力で新しい命を生み出そうということ。ですから、自然分娩こそ、私はある程度の練習が必要なんじゃないかなと思います。たとえば小学校の運動会だってみんな練習するでしょ? お産は、新しい命を外界に生み出す大変大きな仕事。それに妊娠中の10カ月間はもちろん、お産のときにも肉体に大きなストレスがかかります。それを考えると小学校の運動会どころか、オリンピック並みの準備をしたほうがいいんじゃないでしょうか。妊娠する前に、「妊娠するための体力づくりを」と思う方はいないでしょうから、準備は妊娠してからスタートします。ポイントになるのは「お産に対するモチベーションを高めて、いかに積極的にお産という出来事を体験するか」だと思います。

 具体的にいうと、こんな流れの作業じゃないでしょうか。
  1. お産に対する知識を得る

    妊娠するということは自分の体内でどんな変化が起こっていることなのか、お産はどんな流れで進むのか、など正しい基礎知識を頭に入れます。
  2. 自分を知る

    その妊娠・出産というイベントに自分はどう関わっていくかを考えるため、まず自分の状況を正確に把握しましょう。そしてお産に対する不安や悩みや自分のウィークポイントなどをピックアップしてみます。
  3. 目標に向かって努力!

    自信を持ってお産にのぞめるよう、2.で出した不安や悩み、ウィークポイントを改善していきます。




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