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産婦人科医編 第九回
飯島医院 飯島 宙(ひろし)先生 |
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●お正月は家でゴロゴロ?
年始の健診で体重をチェックすると……
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| 血圧測定器のそばにはクリスマスツリーの飾り付けが |
基本的に、妊娠は病気ではないので、「あれをしなさい」「これをしなさい」ということがないのと同様、「あれをしてはダメ」「これをしてはダメ」ということもありません。これまでご登場になった先生方がおっしゃっているように、何をするのも程度問題。自分の体と相談して適度に楽しむのであればよいと思います。
ただし、クリスマス、忘年会、お正月休み……とこのシーズンは外出の機会、ごちそうを食べる機会が増えるので、カゼと体重管理には気をつけてください。
まず、カゼですが、ご存知のように妊娠中に使用できるお薬は限られてしまうので、なるべくひかないようにするのが一番。外出先から帰ったら手洗いをする、うがいをする、という一般的なかぜ予防対策は必ずすること。
それから人ごみの中にわざわざ出かけないようにしましょう。この季節はバーゲンセールなども多いと思いますが、妊娠中の今はできるだけ我慢して。初詣なども、元旦の朝早くなど人が大勢出る時間をはずして行くほうがよいでしょう。おなかが大きくなってくると、重心も変わって転びやすくなります。自分では気をつけていても、人ごみの中に入ってしまうと他人に押されることもありますよね。また地域にもよりますが、初詣のころは雪や氷で足元がすべりやすくなっているので、外を歩くときは十分に注意してください。
年末年始は、ご夫婦で家でのんびりしたり、どちらかのご実家に帰省されてそこでゆっくり過ごす方もいるでしょう。どちらにしても、日本人の昔からの習慣もあって、とくにお正月は家でゴロゴロと過ごし、ご馳走を食べる……という生活になりがち。とくに妊娠中は遠くに出かけることもあまりできないので、家や実家で寝正月……という方も多いのでは? 実際、年明けに妊婦健診をすると、体重がドカンと増えてしまう人が結構います。食事の量、そして適度な運動など自分で気をつけて、上手に体重をコントロールしてほしいなと思います。
●アルコールは少量ならOK、
タバコは絶対やめてください!
妊娠中にお酒を飲むことですが、私はごく少量ならば問題ないと思っています。たとえばクリスマスパーティでの乾杯、お正月におめでとうございますと飲むおとそ程度なら全然問題ないでしょう。適度なアルコールには気持ちをリラックスさせる効果もあります。ご自分が酔っ払ったと自覚するほど飲んだり、また少量でも何日間も続けてアルコールを飲んだりすると、おなかの赤ちゃんにはもちろん、妊婦さん自身の体にもよくありません。
また、妊娠は病気ではないのでしてはいけないことはない、と先ほど言いましたが、ひとつだけ絶対やめてほしいものがあります。それはタバコ。タバコを吸っているとおなかの赤ちゃんの発育に影響することはもう明らかですし、これまで喫煙の習慣のあった方は妊娠がわかったらばすぐに禁煙してください。直接妊婦さんがタバコを吸わなくても、部屋の中に煙が漂っていれば結局それを吸い込んでしまうことになりますから、周囲の人が吸うタバコの煙にも注意しましょう。ご主人に喫煙の習慣があるのなら、タバコを室内で吸わないようにしてもらうなど協力をお願いしてください。
●妊婦さんでも
インフルエンザの予防接種はできます
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| 壁の上にも飾り付けをして楽しい雰囲気を演出 |
冬の病気で話題になるのがインフルエンザ。子どもやお年寄りがかかると重症化することもあるコワイ病気ですが、妊娠中だからといって特にかかりやすいことはありません。また妊娠中にインフルエンザに感染しても、おなかの赤ちゃんに深刻な影響があることはまずないでしょう。
ただし、妊娠中は使える薬が限られてきます。インフルエンザに感染した場合、ふつうは高熱、頭痛などの症状をやわらげる薬を処方しますが、妊娠中はどうしても強い薬を出せないので、効き目もマイルド……にならざるを得なくなり、ちょっとツライを思いをすることになるかもしれません。
「妊娠中でもインフルエンザの予防接種は受けられますか」という質問がよくあるのですが、妊娠初期の器官形成の時期を除いて、答えは「YES」です。日本ではあまり妊婦さんにインフルエンザの予防接種を推奨していませんが、アメリカなどでは予防接種を受けることも多いようです。みなさんもご存知のとおり、インフルエンザの予防接種は受けてもインフルエンザにかかってしまうことがあります。なぜかというと、インフルエンザのウイルスにはいくつかの型があって、予防接種で使われるワクチンは「今年はこの型が流行るだろう」という予測で打たれるので、その型がはずれてしまえばかかってしまうわけです。
ですから、インフルエンザの予防接種に関しては受けても、受けなくてもどちらでもよいと思います。繰り返しになりますが、ちょっと情報を整理してみましょう。
【1】 インフルエンザは予防接種をしても感染が100%防げるわけではない
【2】インフルエンザはかかってもおなかの赤ちゃんへの影響はほとんどない
【3】ただしかかると使える薬が少ないので妊婦さん自身がツライ思いをする
以上のことから、インフルエンザの予防接種を「受ける」「受けない」の判断はご自分でしていただきたいと思います。
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